デザイン発注を成功させるコツ。失敗から学ぶ5つのポイント

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目次

この記事は外部デザイナーに発注する側の企業様に向けた内容です。
外部のデザイナーへの発注方法がそもそも分からない、また外部デザイナーに自社商品の何かしらのデザインをお願いしたい場合に、上手く擦り合わせが出来ずに失敗してしまう。今回は発注がスムーズ且つ上手くいくコツを紹介します。

デザイン発注を成功させる5つのポイント

外部デザイナーに発注する際に、スムーズに成功させるポイントを大きく5つに分けてご紹介していきます。
これらを踏まえて業務を進めてみましょう。

①社内で発注内容を擦り合わせておく

第一に発注する前に社内で発注内容を決めておきます。発注内容を決めておかないと、人によって意見がバラバラになりまとまりのないデザインになります。
例えば、Xという商品を作るとします。

その際にAさんはポップで可愛いモノが良いと言っていますが、Bさんはスタイリッシュでカッコいいものが良いと言っています。

これをまとめずに打ち合わせに進んでしまうと、外部デザイナーは貴社が何を求めているのかが理解し辛くなってしまいます。

まずは会社としてこういうものが欲しいという、ある程度のイメージを持っておき、意見が不一致のままにしないことが大事なのです。
後の打ち合わせでイメージを擦り合わせる際に、会社内部の意見がバラバラに伝わらないようにする為でもあります。

プラン・方針の決め方

もし絞り込めない場合には、こうした方向性で作ってみたいという、案として何パターンかプランを作っておくと良いでしょう。
プランを元に、打ち合わせでデザイナーの感性も含めて決定していくことが出来ます。

決まらない場合は参考物を選ぶ

イメージが難しいという場合には、目指す方向性に近い実物を用意しておくのも効果的です。例えばA社のようなパッケージみたいな商品とか、B社の様なホームページのデザインが良いとか、それを提示できるように用意しておくと後の打ち合わせがスムーズになります。

料理の注文と同じように選ぶ

より分かりやすく例えるなら、料理を頼む前に候補を決めるのに似ています。
ウチはラーメンかうどんのようなモノが良いとイメージすれば、最後に注文する際に絞り込むことが容易になります。

しかし、候補が10も20もあって意見がバラバラだと、注文の際にも結局何を頼めばいいのか誰も分からなくなってしまいますし、オーダーを受け取る店員さん(デザイナー)も困ってしまいます。
この料理の注文のように、社内でどういう料理が食べたいか……しいては、どのようなデザインが欲しいかを、あらかじめ準備しておく必要があるのです。

餅は餅屋に。写真はカメラマンに

クオリティを上げたい。と考えた場合は、デザインで「新しく撮った写真を使いたい」と思った場合、カメラマンに可能な限り依頼しましょう。

②金額を決める

外部デザイナーに対してどれぐらい予算が提示できるのかを決めておく必要があります。
予算を決めたら、デザイナーに依頼を行い、打ち合わせでデザイナー側から提示された金額と擦り合わせます。

また、打ち合わせを複数回行ったり、コンペを行ったりする場合、更には特急仕上げであった場合には、事前にそれぞれの料金をここで話しておく必要もあります。
企業間では下記の流れの際に、見積もり書等で業務内容と金額の記録を残す必要があります。

  1. 社内:要件定義
  2. 両社:打ち合わせ
  3. 制作会社:見積もり
  4. 社内:コンペティション※任意
  5. 両社:契約
  6. 制作会社:デザイン
  7. 社内:検収(確認作業)

揉めるポイントなので要注意

私の体験としては、デザイナーと企業とは大抵ここで揉めることが多いように思います。
打ち合わせだけをしてもデザイナーが動きますし、コンペに参加して貰いたい場合にもラフは作成しますので、それぞれ料金が発生します。

人を動かす(労働)にはお金が発生すると念頭に置いたうえで、外部デザイナーに依頼しなければいけません。

業務フローを経験せずに独立された個人事業主の方とやりとりをする際は、見積もりや要件定義を口頭で済ませてしまう人がいます。
必ず何かしらの書面に残るようにしましょう。

③製作物に対する打ち合わせを入念に行う

作って欲しいモノに対して、お互いのイメージをすり合わせるために念入りに打ち合わせを行います。
脳内のイメージが皆それぞれ違っているので、感覚を近づけておくと後々に発生する違和感が大幅に削減できるからです。

ここでは①で行った社内での意見統一が効果を発揮します。
①を怠った場合には、企業側のイメージが外部デザイナーに伝わり切らず、打ち合わせで意見がまとまらずに製品やスケジュールに影響が生じてしまいます。

あらかじめ用意した資料や目指す方向性に近い他社の製品なども見てもらうと、デザイナー側も理解がしやすくなります。
お互いのイメージを持ち寄ることで、デザイナー側からも新たな方向性や意見が貰えるでしょう。
それを元に、最終的に制作物のプランを固めていってみましょう。

大切なのは形式的に行わないという事です。お互いが理解しあうまで話し合う事が失敗しない秘訣です。
一度歪んでしまったイメージは修正に初回以上の労力がかかる場合もあるので、事前の準備がとても大切です。

④テーマ、文言、資料などを提示する

打ち合わせの最中、または大よそのプランが決まってきた段階で、発注した制作物に必要なテーマ、文言、資料なども併せて提示します。
色は何色が良いか、入れなければいけない文言はあるか、製品ロゴはどの比率で使えば良いのか、制作に関して参考に使ってほしい資料など、入れておきたい要素は確実に提示しておきましょう。

特に広告やチラシでは、テーマと文言が必要不可欠になります。
客層・使用用途、テーマカラー、どんな文章やキーワードを必ず盛り込んで欲しいかを伝えないと、デザイナーの感性のまま作る事になります。
もちろん感性100%でお任せ!というなら構いませんが、大抵は意にそぐわないものが出来上がってしまいます。

例えるならばデザインは料理の注文と同じです

ラーメンはパスタにはなりませんし、たこ焼きは寿司にはなりません。
こういう味が食べたいと言えばシェフはそれに近づけて作ってくれます。

例えばラーメンは醤油味が良い、麺は大盛りで、具はもやしとネギと言えば、注文通りになります。
お任せと言えば具も硬さもスープもシェフの感性に託されますが、注文してしまったら文句は言えません。

イメージと違うからやっぱり作り直せと言えば、もう1杯分の料金が発生してしまうように、デザインも出来上がってから作り直せと言えば同じことになってしまい、デザイナーと揉めてしまうことになります。

方向性、テーマ、文言、資料を伝えることは料理の注文と同じような事だとイメージすれば、欲しい料理の要求をまず出来るだけ伝えることが大事であると理解して頂けるはずです。

⑤見積・発注・契約など書類を交わす

詳細な見積もりを記した「見積書」をデザイナー側から受け取って出して金額を決めます。
契約として納期や修正回数、ラフが何パターン欲しいか等も決めます。

その際、機密保持などの契約書なども併せて交わしておくのがトラブル防止になります。

打ち合わせ中や電話で相談をしていた時にした口約束も互いに合意したならば契約書に含めましょう。
口約束・口頭のみにしておくと必ず何かしらのトラブルになります。

約束はすべて互いが確認できる書類にまとめておきましょう。

見積書を受理され、契約書を交わし、お互いに同意できたら発注を行います。
外部デザイナーの場合は、請求書を最後に企業に提出する為、発注書を送っておくと良いでしょう。
発注書を送っておくことで、発注内容や金額を再確認することが出来、見積書と発注書の食い違いが生じていないかの確認にもなります。
手間だと思いますが、お金に関わる部分は細かく交わしておくと後々トラブルを避けられるのでオススメです。

会話の内容はメモや音声に残す

よくあるデザインの齟齬で話題に上がった「タスク」が完了してないことがあります。
「〇〇の色を変更してほしい」
「〇〇っぽく」
などの会話が進んでいく上で、よくある手戻りで「あれ?これ直ってない?」という状態です。

変更を依頼する内容は、Excelやメールなどで残しておき、お互いに何を話したか振り替えれる状態が必要です。
弊社の管理方法としてのおすすめは、スプレッドシートでタスクを書き出し、チェックボックスを入れる形で管理を行っています。
議事録の手段が一般的です。

特に初めて発注する相手などの場合は「言った、言ってない」問題は本当によく出てきます。
発注者、デザイナーともに安心が出来る環境作りでは、精神論や曖昧な記憶に頼らない方式を作る必要があります。

まとめ

今回紹介したポイントは全部で5つ。

  1. 社内で発注内容を擦り合わせておく
  2. 金額を決める
  3. 製作物に対する打ち合わせを入念に行う
  4. テーマ、文言、資料などを提示する
  5. 見積・発注・契約など書類を交わす

デザイン発注で失敗してしまうのは、ほとんどがコミュニケーションエラーです。

  • このエラーは社内で事前に方向性を決めておかなかった
  • 金額を深く話さなかった
  • 打ち合わせをお互いが理解しないまま形式的に終わらせてしまった
  • 書類を交わさなかった・形式的に雑に書類を作り、トラブルになってしまった

これら全てをもっとよく話し合い、書面でまとめておけば起こり得なかったミスです。

外部デザイナーは貴社の事は知りませんし、貴社も外部デザイナーの感性を知りません。
製作物を作り始める前にとにかくよく話し合い、沢山コミュニケーションをとることでデザインの発注を成功させましょう。

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